戦略藩
その日、開けたままにしていた窓から漏れる大きな歓声で目は覚めた。オリンピック目前の聖火は近所を出発し、それはまだ朝の7時のことだった。

そんなロンドンが2012年夏のオリンピックを迎える中、それと同時に遠い日本からメールが届いていた。「JapanPlaningの上層部にメールを送るからべんの方からZ事務所として正式なメールを送ってください。」日本で働いていた時の敬愛する△瀬さんからのアツイメールだった。

2020年 日本のオリンピックのために安藤忠雄が国際コンペを開催した。代々木体育館と明治神宮の間に日本は世界的に誇れるデザインを世界中から募集した。この募集要項があまりにレベルが高く、世界中の建築事務所でも限られるものだった。Z事務所はそれをみたしていた。

が、募集要項をよく読めば読むほど不可解なものであった。これは...デキレースではないか...と。このコンペはある事務所が鍵になる。とある構造事務所に連絡を取れば彼らはすでに動き出していた。このコンペ、筋書きがハッキリ存在する。が、そうはさせない。
数日後の金曜日

ロンドンオリンピックは派手に開幕した。そして気がついた。そうかそういうことか...これなら勝てるかも...と。問題設定をこれらの祭典が行われている時以外、このスタジアムをどう機能させるかということだった。そもそもスタジアムなんて3つもいらない。施工をどう分解し、どう2020年を迎えるのか。そしてその後をどうするのか... 一つ一つをClusterとし、時間をかけてこの単位をつくりあげていく。それらすべてを繋げる基盤をLとして解けばZ事務所はひっくり返せる。

Zとの会議で彼女はこう言った。「Iが勝つわよ。やめておきなさい。」
彼女もそう思っていた。

おそらくI事務所は公園案を出してくるだろう。佐々木と組み、構造からくる吊り構造とミニマルサーフィスの曲線を叩きつけてくるだろう。が、I事務所にその器量が今あるだろうか...
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